政 策


「市民の味方として、
 市民のために、市民とともに」



 私の使命は、すべての皆さんから信頼さえ、期待される「希望がゆきわたる豊かな知立」をつくっていくことです。

 現在、私たちを取り巻く経済社会情勢の動向は変転が著しく、その危機的状況に即応すべく、日本中で行政や企業などあらゆる主体がその運営体制と手法の大転換を進める中、知立市行政も、市民生活を支えるという最重要目的を達するために必要な財源を確保し、必須の施策を講じることが厳に求められており、ただ地域経済社会の成り行きを見守り、回復を待つだけの姿勢を続けることは許されません。

 知立市はこれまで、トヨタ城下町という地政学的優位性を有するがゆえに、市民の所得水準が高く、市独自の経済財政政策を講じずとも税収を確保できたことから、市行政のマネジメント(経営)はあくまで「継続」のためで良く、「決められたことを決められたとおりに行う」だけで済んだ時代が久しく続きました。

 しかしながら、それでは時代の変化に太刀打ちできないのは明白で、知立市に今必要なのは、新しい暮らしや価値を創出する都市経営のイノベーション、即ち、起業家精神による行政マネジメントだと考えます。

 マネジメントの発明者であるドイツの経営学者“ピ-ター・ドラッガー”は言い残しています。

 「歴史にも境界がある。目立つこともない。その時点では特に気付かれることもない。だが、ひとたび超えてしまえば、社会的政治的な風景が変わり、新しい現実がはじまる。」

 事態が進行し深刻になってようやく気付き、慌てて取り繕いながら後手を打つのではなく、現実を正確に読み取りながら未来を見通し、市民の幸せにつながる先手を手堅く打つ責任が、政治行政を担う者には厳しく問われています。

 地方自治法では、「地方自治体は、事務処理に当たり、最小の経費で最大の効果を挙げ、また、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、規模の適正化を図らなければならない」とされています。

 昨今の社会経済情勢や価値観の変化に伴い、住民が公共サービスに求めるもの(住民ニーズ)も多様化・高度化しており、行政のみがこれに対応していくことには質的にも量的にも限界があるのが現状です。

 実際、住民ニーズは様々なレベルのものがあり、行政でなければ対応し得ないものから、NPOや住民団体、民間企業などで対応した方が良いものまで存在することから、真に行政として対応する必要があるかどうかの見極めが重要となります。

 また、日常生活圏域の拡大や行政区域内住民の連帯感の希薄化に伴い、地域の課題を住民が協力して解決する「地域力」の低下が懸念されています。 これからの地域における公共的サービスの提供には、行政のみならず、地域に存在する様々な主体が関わり、それぞれの主体が有する活力を結集していくことで、地域全体としての力を向上していくことが重要です。

 その上で、行政として対応するべきものについては、限られた財源の下で効率的に質の高いサービスを提供するために、いわゆる民間的経営手法(成果主義、 顧客志向、競争原理など)を採用しつつ、公共部門の特性を加味した新たな経営手法の開発が求められています。

全国を俯瞰しますと、地方自治体の最高責任者である首長の経営能力の優劣によって、提供される公共サービスに自治体間で格差が広がっています。 地方分権の推進に伴い、地方自治体の決定権が拡大する中、首長の権限も増大しており、自治体トップである首長のあり方が、自治体組織全体のあり方を規定しているからです。

 人口の増加や高度経済成長に伴う右肩上がりの経営資源の拡大が望めない中、地方自治体のビジョンとミッションの明確化、戦略体系の構築の過程において、住民ニーズを的確に踏まえるとともに、地域の将来を見据え、長期的な視点に立った政策の選択と集中を行うためには、首長の強い改革意欲とリーダーシップの発揮が不可欠です。

 そうした中、私自身、先行きを見通せない激動の時代にあって、新しい未来に向けてリーダーシップを発揮し、心ある市民の皆さんとともに、次の知立を創ってまいりたいと存じます。

 これまで積み上げてきた経験と確かな実績をもとに、豊かな知立の未来を切り拓くため、引き続き一層のご指導とご支援を賜りますよう御願い申し上げます。




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